昨年はsowondermapsのブログに遊びに来ていただきどうもありがとうございました!
想像より、ずっと多くの方に読んでいただけて本当に嬉しいです。
本年もぼちぼちと更新していこうと思います。
よろしくお願いいたします。
新年一発目のブログは、大ファンのヤマザキマリさんの作品紹介をしたいと思います。
前回は、ヤマザキマリさんの漫画ベスト5を選んでみました。
テルマエ・ロマエのヤマザキマリ
と呼ばれることが多いですが、エッセイもすごく面白いです!
今回は、個人的独断と偏見で選んだエッセイベスト5を紹介します!
順位をつけるのが野暮なくらいどれも面白いので、今回は順位はつけずに羅列いたします。
1. ヴィオラ母さん
もうね、母リョウコの大ファンになってしまう1冊。
帯に書いてある、
「生きることって結局は楽しいんだよ」
この言葉、本当にすごい。
1人の人間にこう思わせることが出来たら、充分な気がしてしまう。
破天荒というか、ひたすらたくましく明るく突き進む母。
気取ったところも力むこともなく子供達と北海道の大自然を楽しんじゃう母。
(浮き輪で川泳ぎ、最高に気持ちよさそう!)
学校もずる休みさせちゃう。
(大自然を見に行きたい!って思ったら即実行)
クラシック音楽家だけど、普段の格好は無頓着。もちろん演奏会はドレッシー。
暮しの手帖を愛読し、お金がなくても楽しく暮らす工夫をしっかりと知っている。
ヤマザキさんの描くリョウコさんは鬱蒼とした髪と目がキラーン⭐︎と光るのがポイント。
リョウコさん、実は深窓の令嬢。
音楽で生きていくことを決め、単身楽器を背負って北海道へ移住。
そこで知り合った旦那様には先立たれ、突如シングルマザーになってしまう。
それでもへこたれず2人の娘を育て、音楽家という自分の人生もしっかりと歩んでいます。
ハルさんとのエピソードは涙なしに読めません。。
私が特に好きなのは、コンサートで遅くなるとき必ず手紙を書いて置いておくところ。
海苔で真っ黒のおにぎりのそばに必ず手紙が添えてあり、照れくさくて言えないような言葉をきちんと娘さんに伝えよう、届けようとしていること。
泣けてきます。。
子供達も自分達が愛されていないなんてことは思っていない。
べったり一緒にいることだけが愛情ではないし、愛情表現にも色々ある。
時代の差はあっても、現代日本でも励まされる方が多いのではないでしょうか。
何よりすごいのは、
自分の子供に対して敬意がしっかりとあるところ。
自分の所有物のように扱っておらず、他の人格を持った人間として向き合っているところ。
自分の人生を自分でしっかりと充実させているところ。
そんな母の元に生まれたおかげで、ヤマザキさんは今のヤマザキマリさんになったのだろうな、と思います。
読んだ後、痛快、爽快さを感じます。
スッキリしたい方、小さい悩みを吹き飛ばしたい方、是非に。
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2. 国境のない生き方:私をつくった本と旅
「地球サイズで見れば悩みなんてハナクソ 」
この言葉に何度励まされたことか!
この本の解説は難しい。
中身がありすぎるし、濃すぎる!!!
幼い頃〜テルマエ・ロマエを描いた後のことまで書いているので、まとめるのは無理。
どのページにも感銘を受けてしまう、そんな1冊。
こんな風に世界中を旅して色んな書物に触れて生きていきたい!
と私に強く思わせてくれた大事な1冊です。
何かあるごとに読み直しています。
艱難辛苦の経験を見事に昇華しているパワフルさに、
何に悩んでいたんだっけ‥?
と思える読後の気持ちよさ!
各章の始まりに、物語やコラムから文章が引用されているのもポイント。
私はこの本をきっかけに、ラテンアメリカ文学にハマりました。
マヌエル・プイグの蜘蛛女のキス。
映画のDVDも購入しました。

【Amazon.co.jp限定】蜘蛛女のキス <HDニューマスター・スペシャルエディション> Blu-ray(2L判ビジュアルシート+VHSテープ風アウターケース付き)
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- 発売日: 2019/11/06
- メディア: Blu-ray
ラテンアメリカ文学の本は日本ではあまりメジャーではないせいか、古本もあまり出回っていません。
絶版もちらほら。とても寂しいことですね。。
どうにか手に入れて、これからも読み進めていこうと思っています。
ヤマザキさんはSFも大好きで、女版:小松左京と呼ばれることもあるんだとか!
テルマエ・ロマエもタイムリープしていますもんね。
ラテンアメリカ文学のマジックリアリズムの影響のイメージを強く持っていましたが、SF好きと聞いて、「あぁ、確かに!」と思いました。
ちなみにドラえもんより21エモンをリコメンドしています。

21エモン コミック 全3巻完結セット (文庫版)(小学館コロコロ文庫)
- 作者:
- メディア: コミック
影響を受け、全巻買いました。
ヤマザキさんは漫画からの吸収力も半端なく、読み方を教えてもらった気分です。
ヤマザキマリさんは「ただならぬ読み手」だと本当に思います。
どうやったらあんなに入り込めるのだろう?
もう1度、読み直さないと!
人生のタガを外したい方、読む本のジャンルを拡げたい方、旅に出たい方、是非に。
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3. とらわれない生き方 悩める日本女性のための人生指南書
この本もボロボロになるまで読みました。
今も手に取ったら、また読みたくなってしまいます。
それぐらい、私にとって心を軽くしてくれる1冊です。
「苦労したわ〜」という気持ちより、自分で自分を守ってきたという自負の方が大きく残っています。(中略)
「また一つ、頼りがいのある自分になれた」ということなんです。
これを読んで変わったのが、失敗の捉え方です。
失敗が経験に変わり、自分の血肉になっている自分に気がつくことが出来ました。
失敗したら終わりじゃなく、始まり。
いくらでも軌道修正は可能!人生は加点法!!!
かつての自分からは考えられないような言葉が、自分から出てくるようになりました。
私の大好きな小沢健二さんもこんな曲を作ってくれていますし❤︎
この先も色んなことが起こるだろうけど、もっと頼りがいのある自分になるチャンスと思って進んでいければと思います。
女性からの悩み相談への回答も読み応えがあります。
冷静で客観的で現実的で、でも冷たさがない。そこが凄い!
こんなにパワフルな女性が、先輩が、日本にいてよかった!
そう思わせてくれる1冊です。
特に女性の方、そうでない方、行き詰まってしまっている方、さらにタガを外したい方、是非に。
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4. ヤマザキマリのリスボン日記
この本を読んで、ポルトガルのリスボンに興味が湧き、実際にリスボンに行った私。
この過去記事ではリスボンの写真が見れます。よろしければ。
テルマエ・ロマエを描き始めた頃のヤマザキさんは、リスボンに住み、とても穏やかに暮らしていたようです。
昭和の日本の要素があるような、懐かしさも感じるほどだったみたいです。
日本のスナック菓子をこよなく愛していたり、大福を手作りしたり。
ローマ教皇のくだりでは爆笑しました!
色々ドタバタは日々起こっていますが、何とも平和。
私もリスボンに住みたい!と思ってしまう。
実際に行ってみて、本当にいいところでした。
とにかく気持ちよく晴れているし、海産物は美味しいし。
物価もさほど高くはないし。
車で大西洋見に行ったり、近場の遺跡を見に行ったりとても楽しそう。
ふらっと散歩に出かけたくなるその気持ち、痛いくらいわかります!!!
ご本人も「桃源郷」と仰るくらいの住みやすさのようです。
ポルトガルの詩人、フェルナンド・ペソアを知ったのもヤマザキさん経由でした。
ペソアが住んでいた辺りにご自宅があるんだとか!
素敵ですね。
ただし、時折登場するモーレツ家族は本当にモーレツ。
この本の執筆もリスボンで行われたようです。
あの家族は本当に半端ないわ…。
イタリアーリスボンくらい離れてて丁度いいくらいかも。。
実はテルマエ・ロマエをお風呂がない自宅で思いついたというヤマザキさん。

テルマエ・ロマエ コミック 全6巻完結セット (ビームコミックス)
- 作者:ヤマザキマリ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2013/06/25
- メディア: コミック
…お風呂ないのにこの設定&ストーリーってすごいな!!!
シャワー室&タライで乗り切ったそうです。
渇望するとかえって想像力が掻き立てられるのか?!
アイディアといい状況といい、ヤマザキさん以外には思いつかず描ききれない作品だとこの本を読んで本当に思いました。
リスボンって、銭湯ありそうな雰囲気の街なんですよ。
いつか出来るといいな。あの街にお風呂あったら言うことなしだわ。
まだまだドタバタエピソード満載です。
ヤマザキさんの日記のような本なので、非常に読みやすいです。
ヤマザキさんを知りたい方、リスボンに興味のある方、そうでない方も、是非に。
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5. 仕事にしばられない生き方
時代が求めていた1冊。
仕事。
お金。
いつの時代も人間が社会生活を送る上で悩んできた内容について、ヤマザキさんの経験も踏まえて述べています。
いい波が来たら、乗ってみる
この心構え、すごく大事だと思うんです。
仕事に限らず、です。
やってみてダメなら辞めてもいいし、心地良ければ続けてもいい。
どっちでも、いい。
大切なのは、本人に合っていること。
最初はとりあえずでも、ついででも、何となくでもいい。
行動に移してみる。
ダメならまた何かをやればいい。
働いて、稼いで、生きていく。
「仕事」という、この生きていくための当たり前の営みが、つらいだけであっていいはずがない。
はじめに、からの引用。
もう、この言葉だけで読むしかない!って思いますね。
「自己責任」という言葉についても本編中で言及しています。
私は「自己責任」という言葉を、「他人の痛みを想像したり感じなくて良い」という意味で使うことには違和感しかありません。
お金との付き合い方。
難しく、いつの時代も人類が悩んできた普遍のテーマ。
いくつかの作品をあげながら、ヤマザキさんの考えが述べられています。
どのページにも引用したい文章があって、私の力量では一言で述べることが出来ません。
世界中、一度、立ち止まって考えてみてもいいんじゃないか。
そんな気持ちを持たずにはいられない、1冊です。
お仕事に悩んでいる方、自分の考えをより深めたい方、自分の考えを言葉にして誰かに伝えたい方、是非に。
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今回紹介したヤマザキさんのエッセイをまとめます。

- 作者:ヤマザキマリ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/01/30
- メディア: 単行本

- 作者:ヤマザキ マリ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/04/01
- メディア: 新書

- 作者:ヤマザキ マリ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2014/04/18
- メディア: 単行本

- 作者:ヤマザキマリ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2015/12/07
- メディア: 文庫

- 作者:ヤマザキ マリ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/10/03
- メディア: 新書
今回は、私の偏見と独断でヤマザキマリエッセイ個人的ベスト5を紹介いたしました。
誰かにとって、有益な情報になればと思います。
読んで、何かを得て、その方の人生がより良くなったなら本当に嬉しいです。
記事を読んでくださった方、長々とお付き合いくださりどうもありがとうございました!